蜘蛛の糸/芥川龍之介
カンダタという男が血の池地獄でもがいているのを見て助けてやりたい気持ちになったお釈迦様は、地獄のカンダタに向け天国へと続く蜘蛛の糸を一筋垂らした。
カンダタは生前強盗・殺人・放火など多くの罪を重ねていたが、道端の小さな蜘蛛を踏みつぶさず助けてやったことが一度だけあった事を知っていたからだった。
お釈迦様が垂らした蜘蛛の糸をみつけたカンダタは地獄に仏とはまさにこのこととその蜘蛛の糸を登り始める。しかし、その糸をみた他の地獄の住民たちも蜘蛛の糸を登り始める。それを見たカンダタはこの細い蜘蛛の糸にこれだけの人数が登っては切れてしまう、「この糸は俺のものだ、助かるのは俺だけでいい、俺の足を引っ張るな」と他の人間を蹴落とし始める。その途端蜘蛛の糸はブッツリとキレ、天国へあと一息のところまで登っていたカンダタは地獄に向けて真っ逆さまに落下していった。
その一部始終を見ていたお釈迦様は悲しそうな顔をしてその場をはなれていった。
この蜘蛛の糸ってカンダタがその他大勢を無視して登ったら登ったで重さで切れるというオチがまっており、結局のところお釈迦様はカンダタを助けるつもりなどはじめからなく、一度希望を与えることによって「より長く・より多く」の絶望を与えるためのものだったのではないかと思ってしまうのは私だけでしょうかww