羅生門/芥川龍之介
荒廃した京都で主人から暇を出された下人は死体の集積場と化した羅生門で途方に暮れていた。
雨露をしのぐ為に羅生門の中に入った下人は生きていく為に盗人にでもなるしかないのかと葛藤していたところ、死体の山の中でうごめく老婆と出会う。
死体の山の中で何をしていたのかと問う下人に対し老婆は「カツラを作る為に死体から髪を採っていた」と告げる。なんという罰当たりな行為だ、と憤慨する下人に対し生きる為には仕方ないことだ、生者である自分の為になれて本望だろうとわめきちらす老婆をみて、「では俺のためになれて本望だろう」と老婆を殺害し身ぐるみを剥いだ下人は、盗人として生きていくことを決意し、羅生門から去っていく。
昔国語の教科書に載っていた記憶がある。内容といえばこの程度といったところなのだけれど、昭和の文豪と呼ばれる人たちの作品には大抵読んでいる時に言葉の力というか重みといったような表現しにくい何かを感じる。作品によって何を伝えようとしているのかを考えるのではなく、自分が感じたままに思ったままになんとなくでいいのではないかと考える。