世界最高の話し方/岡本純子
1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール
というキャッチフレーズで書かれた会話系のビジネス書籍です。
内容としては著者が必要だと考える会話のルールを短いセンテンスにまとめ2,3ページにかけて説明していくというタイプの本です。
日本人著者の自己啓発系の書籍はこの形態の本が多い印象ですね。このタイプの本は読みやすく読了しやすいというメリットはあるのですが、個人的には内容が頭に残りにくいと感じています。
大体一つの本から著者が繰り返し述べているような重要そうな箇所を、「1~3個程度記憶にとどめておく」もしくは「実践してみる」という事ができればOKというイメージで読書しているのですが、このタイプの本では全体がぼやけてしまい頭に残しにくいという印象です。
単純に私の理解力、記憶力がよろしくないということもあるのでしょうが。
私見にはなりますが、通読ではなく現在の自分に必要な箇所だけをピックアップして適用するという参考書的な使い方をすることが、このタイプの書籍の正しい使い方なのかもしれません。
今回も自分用に役に立ちそうな箇所を抜き書き+αしておりますので、興味のある箇所がみつかった方は実際に本書を手に取って読んでみてください。書籍の内容としてはタメになることしか書いておりません。
〇人間には「自分の考えを支持する情報ばかりを集め、それに反する情報を無視する」という傾向があるため、「相手が興味のある情報」でなければ、受け止めてはもらえない。これを心理学用語で「確証バイアス」という。
〇いい質問は「ど」×「6W1H」で行う
①What:どう、どんな
②Who:どの人、どんな人、どなた
③When:どんなとき、どのタイミング
④Where:どこに、どこで
⑤Why:どうして
⑥Which:どれ、どっち、どちら、どの
⑦How:どう、どうやって、どうしたら、どのように
〇質問は4種類に分けられる
①導入質問:元気ですか?どこ出身ですか?
②聞き返し質問:聞かれた質問と同じ内容を聞く
③フォローアップ質問:相手が言ったことに関連する
④ギアチェンジ質問:トピックを変える
〇会話のネタは「鉄板3K」
①関係(1.身近2.悩み3.損得4.便利5.影響)
②関心(1.流行2.有名3.苦労失敗葛藤4.感情5.告白6.変化)
③価値(あなたはすごいと相手の価値をしっかり伝える)
・重要なのは「どんなネタか」ではなく、それがどれだけ相手にとって「関係」「関心」「価値」があるネタなのか
〇一流の褒め方とは
「ミカン保管の法則」
み(みとめる:承認)
かん(かんじる:共感)
ほ(ほめる:賞賛)
かん(かんしゃ:感謝)
「す・ぐ・き」が基本中の基本
す(すぐほめる)
ぐ(具体的に)
き(気持ちを込めて)
・一声盛ってみる
「1回叱ったら6回誉める」
正しい叱り方
①事実
②理由
③主観
④解決策を提示させる
〇説明のポイント
「13文字以内」にまとめる(読ませるではなく見せる)
①例え(意外なものに)
②数字(具体的に)
③ベネフィット(相手に得すること)
④チカラのある言葉(最強、世界一、神〇〇等の強い言葉)
⑤「?→!」(えっと思わせておいてからなるほどと思わせるために謎めいた感じで)
「人生において、最も明白で大切な現実は、えてして最も見えづらく考えにくいもの」「その最も大切なものを見失わないで」(デヴィッド・フォスター・ウォレス:若い魚は水を知らない)
・説明の鉄板ルール
何を話すかを告げた上で、その話をした後に最後に何を話したかを告げる
キーメッセージ(結論)にあたる一言を、最初に準備し、かならず3部構成にするハンバーガー話法
・さらにハンバーガー話法の「中身」部分の作り方
①なぜならロードマップ(「理由→事例」とわけて「結論→理由(なぜなら、なので)→事例(たとえば)→結論」の順番で説明していく。)
②3つありますロードマップ(結論を述べた後、その理由は3つありますと説明をしていく)
③お悩み解消ロードマップ(問題を提起し、それの解決法を提示する)
説明の達人=「13文字」+「なぜなら」or「3つ」or「お悩み解消」
〇共感される話し方
「We(私たち)という言葉を使う」
人は「自分に共感してくれる人」にしか共感しない
占い話法を使う(聞き手が持っている感情を汲み取り、代弁する)
「そう・だ・わ」を使う(そうだね、大丈夫、わかるよ)
「人は感情の奴隷」でありいくらエビデンスやデータ、ロジックを積み上げても感情を動かせなければ、説得はできないし、共感も得られない
「Before」「After」「気づき」をいれた「30秒ストーリー」を作る
〇説得のルール
相手に絵を見せるように話す(行くではなく小走りで行く、言うではなくボソボソとつぶやく)
大まかな数字ではなく「四捨五入しない正確な数字」をいれる
100万人よりも1人の顔の法則
かけ離れたジャンルの言葉を掛け合わせた例えを使う
強調したいメッセージを言う直前に、相手の脳の記憶スイッチをオンにしてもらう「魔法の言葉」を仕込んでおく(これだけは聞いてください。想像してください。たった一つのポイントは~)
魔法の言葉を言い切った後に、一拍おく(間をあける)
〇緊張ゼロのプレゼンルール
プライドを捨てて、恥を晒し馬鹿になれ(かっっこつけて話そうとすることほど、カッコ悪いことはない)
話し始める前にヤッホーを3回言う(1回目はド、2回目はソ、3回目はソの音程でイメージし、その音程と音量を保ったまま第一声を発する)
プレゼンは「モノローグ、ひとりごと」ではなく「対話、言葉のキャッチボール」と考える。(会場にいる一人一人との対話の積み重ね)
「〇〇でしょうか」「〇〇ですよね」と問いかけ調を使う
「。」を「?」に変える(。終わりが6:?終わり1の割合)
プレゼンは冒頭30秒のインパクト勝負
①ユーモア:鉄板ネタをひとつもっておく
②サプライズ:想定外は記憶に残る
「私が黙っていた30秒の間に日本人が一人亡くなっています(厚労省の統計)」
③ストーリー
④質問
「あなたの残り寿命を5年くださいと言われたら幾ら請求しますか?」
「高卒と大卒の生涯賃金の差をしっていますか?」(男性で5600万、女性で6500万)
⑤告白:誰でも人の秘密には無条件で興味を示す
人の印象は「見た目5割」「声4割」「言葉1割」(メラビアンの法則)
キーワードをゆっくり言うなど緩急をつけることが大切で、声で何より大切なのは「メリハリ」
声の高さを変える方法(頭のてっぺんに意識をやると高くなり、おへそを意識すると低くなる)
リモートでの「話し方」「見せ方」は1.豊かな表情2.大げさな動き3.現物を見せて興味を引く4.効果音をふんだんに使う5.テロップを入れる6.口語体・会話調を使う
コミュニケーションは感情を動かしてなんぼの世界
アイコンタクトの正解は「キャッチボールスタイル」(聴衆一人一人と目線を交わしていく。頷いてくれる人を見つけて目を向けてみよう)
リモート会議のカメラの位置は目線に合うように角度や高さを調整する
プレゼン時間の7割以上は、聴衆を見て話す。少なくとも
①冒頭の30秒
②情報が少なく、読み上げる必要があまりないページやスライド
③強調したい言葉やメッセージ
④「さて」、「ところで」などと接続詞を使って、場面を転換したいとき
では聴衆を見る。相手の眉毛の間をみる形でもOK。
〇魅せ方のルール
自信などと言うものは思い込みでしかない。だから、私には自信があると自分の脳に思い込ませてしまえばいい(自信があるフリをする)
両手を大きく上げる「スーパーマン」、両腕を腰に当て胸を張る「ワンダーウーマン」のように力強く見せるパワーポーズを2分間取れば自信が湧いてくる(ハーバード大学エイミー・かディー教授)ストレスホルモン「コルチゾール」が下がり、「テストステロン」が上昇する。
日本人がやりがちな「両手を股間の前で重ねる格好」はNG!
無駄な言葉を使わずシンプルに言い切れば、説得力がぐんと増す
×〇〇と思います
×〇〇と考えています
「えー」「あのー」などのfiller words(穴埋め言葉)は数を数えればやめられる(スマホで録画してセルフチェックする)
エネルギーを高める3つの方法
①言葉の意味を考える(棒読みだけは絶対避けたい。「言葉を伝える」のではなく「意味を伝える」という意識を持つ)
②なるべくなら立って動いて話す
③「何を伝えたいのか」ではなく「どんな思いを伝えたいのか」を考える
〇プレゼンの作り方のコツ
「文字」「写真」「図」でぎゅうぎゅうの3密を避ける
①「口頭で説明しない内容」「不鮮明な画像」「小さくて読めない図や字」は入れない
②同じ言葉はできるだけ使わない(グローバル、イノベーションetc)
③「抽象的・根性論的ポエム」は徹底的に排除する。(やりぬく組織、事業開発力強化、構造改革を進めるetc)
④見出しは「1行10〜15文字」にして、質問か答えを選ぶ(ワンスライドワンメッセージを貫く)
⑤20分ルールを心得る
〇信頼の基本はコミュニケーションの超基本「あいうえお」
あ:あいさつをするー壁を破る
い:いいね!ー褒め上手になって相手を称賛する
う:うんそうだねー
え:えがおー神経細胞ミラーニューロンの働きで、笑顔が笑顔を呼ぶ。「気分がいいから笑顔になる」のではなく、「笑顔を作るという行為そのものが気分を高揚させる」。本物の笑顔はマスクをつけていてもわかる目元に出る笑顔
お:お礼を言うー感謝を体質にする
〇人生を大きく動かす「魔法のノウハウ」
他社に「思い」を「やる」
「利他的視点」をもって、自分のことをもっと客観的に知る。
人の幸福感は、お金や、仕事の成功といったものではなく、他者との関係性によって決まる(ハーバード大学の学術的研究)