伝える力・伝える力2/池上彰
伝えるためには「話す」「書く」「聞く」の3つの力が重要な要素となる。
自身の考えを相手に理解してもらうためにはまず自分自身がしっかり理解しておく必要がある。自分が理解できていない内容をただ説明したところで相手はその内容を理解することができない。
そして伝えるためには「誰にでもわかる文章を作る」ことを心がけることが重要。小中学生にも理解できるように説明しようと思えば、難しい言葉や専門用語は使うことはできず、なぜそうなのかという本質的な部分を簡潔に説明することが必要となってくる。
話の全体像を相手に伝えてから話し始めることで聞く側は現在地を理解することが可能となる。それを細かく分解することでシンプルな内容の積み重ねとしていくことができ、一文を短くすることで伝わりにくいおかしな文章にもなりにくくなる。
というようなところが頭に残ったところかと。
下記に抜き書きしたように、そのほかにも様々な著者のテクニックや考え方が書かれている。
すべてを実践していくのはなかなか難しいと思うので、本書を読んで自身が実際に行っていることが有効な方法なのかそうでないのかの判断基準とするという感じでよいのではないでしょうか。
個人的には、
・書類やメールはプリントアウトしてチェックする。
・作成した書類は原則的には翌日以降に再チェックする
といった事は日心から心がけていることであったので、大切な事だったのだと再確認ができた。
以下に、役に立つかどうかはわかりませんが読みながら抜粋していった箇所を記載しておきます。
抜粋に特にルールがないので、あとから「なぜこれを抜粋しているのかよくわからん」といった事態も発生しておりますが、何かのお役に立てばと思い続けていきます。
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「伝える力」
・「伝える」ために大事なこと。それはまず自分自身がしっかり理解すること
・何かを調べるときには、全く知らない人に説明するにはどうしたら良いかということまで意識する
・同じことを書いたり話したりするにしても、わざと反対のことを言ったり、意外な話から始めたり、時系列を逆転させたりと、相手が興味を持ってくれる方法を考える。
・プレゼンテーションなどでは15分ぐらいまでは、一つのテーマに絞って話をしたほうが良い。
・日本にはいわば「けしから罪」が存在している。日本は「嫉妬社会」の側面を持つ。
・先に結論ありきが「演繹法」、いろいろと情報を集めて結論を構築していくのが「帰納法」
・報告書や提案書をまとめる場合、帰納法が良いが時間がかかりすぎるので、おすすめは「緩やかな演繹法」
・緩やかな演繹法とはまずは下調べ→仮説を立てる
・テレビや新聞、雑誌、インターネット、あるいは社内では手に入らない情報を大事にしてほしい。それでこそ、現地に赴く意味がある。
・現地に行って問われるのは「五感」や「雑感」
・感じた雑感を入れるのは、一箇所かせいぜい二、三箇所で良い
・もう一人の自分を育てておく
・見直しはプリントアウトをした上でも行い、書いた後、しばらく寝かせることがより望ましい。
・自分で書いた文章を客観的に見るためには、音読してみることも効果的。
・「中学生にもわかる原稿を書く」ことを意識する。
・主語を入れ替えて話すだけで、相手の印象は変わる。
・矢印を使い分ける(時間の流れ、論理の流れ、因果関係の説明、デザイン)ことで、受けてはその図解を理解しやすくなる。また作成者自らの理解も深まる。
・図に入れる文字は最小限に
・文章中に使わないほうが良い言葉や文字
そして/それから
順接の「が」
ところで/さて
いずれにしても
絵文字の類
・伝える力を養うのに小説を読むことも良い。ジャンルはなんでも。小説で使われている「読み手を引き込む手法」を自分なりにいくつか見つけられれば、ビジネス文書を書く場合に、きっと大きな武器になるはず。
・話し方を学ぶには、落語は最高の教材になる。間の取り方が見事。
・「思い付いたら、すぐにメモをとる」ことで、アイデアや企画案は蓄積され、「伝える力」パワーアップされていく
「伝える力2」
・どういう状況かわからない、何を言われているのかわからない、といった状態は人をとても不安にさせる。
・わかりやすい説明をするには、相手にまず「話の地図」を渡す(あるいは、示す)ことが大切。「話の地図」とは話の全体像のこと。
・因数分解すれば、わかりやすく伝えられる。
・一文を短くすると、文章がわかりやすくなる。主語と述語がねじれていたりすることにも気づきやすくなる。