ライフトラベラー人生の旅人/喜多川武士
「人生を変える旅をしたい」と言う、大学生の知哉に、親友の夏樹が提案したのは、「ほとんどすべてが〈自由〉な〈不自由な旅〉だった。ほとんど荷物を持たず〈出会い〉という〈奇跡〉を呼ぶ旅だった。夏樹の口を通して語られる数々の宝石のような言葉。なぜに、夏樹はそこまで、〈人生〉という旅を価値あるものにする知恵を持つのか? その謎が明らかになる後半。。。(商品説明より)
旅をするという事を通して人生にとって必要なことや考え方を学んでいくというストーリーになっています。
主人公の「知哉」が親友の「夏樹」から教わっていく内容については本書を抜き書きしたところを下記に抜粋しております。
商品説明よりに記載されているとおり、本書は基本的に「夏樹」が「知哉」に人生を変える旅がしたいならこうしたほうが良いと教える会話形式で進んでいきます。単純に「旅」という観点で考えても確かにそうだなという事が語られているのですが、夏樹が旅に対して語る内容は人生全般に関して語っています。
とにかく、「経験」をしろ。その経験こそが人生にとっての本当の「財産」である。というのが本書の内容なのだと私自身は感じました。
また、この物語の後半では突然「トモ」と「ナツ」という人物?についてのストーリーが差し込まれます。
かたちがあるものではないと表現される存在であるトモとナツが、地上で人としての人生を楽しむ旅にでる際に持っていく才能について会話をしています。
ゲームやドラマ、アトラクションなどでは何一つ苦労や大変なことを経験しないなんて退屈過ぎる。だから乗り越える試練を作ったり、努力が必要な場面を作ったりすることで内容を盛り上げ様々なことを経験するように作られる。人生もそれと同じであり、自分で人生という旅へ出発する前にヴィジョンを作成し、幾多の困難に立ち向かいそれらを乗り越えていこうとする格好いい主人公を演じられるように設定しているにもかかわらず、旅先では自分で決めたことを覚えていないばっかりに、人生の問題を面倒に思ったり、なぜ自分ばかりこんなに苦しまなければならないのかと文句を言ったりする。
人の人生とはそういう事なのだといった会話から、「トモとナツ」という存在が、地上では「知哉と夏樹」として出会い影響しあっているという事が読み取れるようになっています。
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〇0を1に
・旅先で不自由がないように完璧な準備をしていくと、確かに快適かもしれない。でも、自分のいる場所では経験できないようなことを経験する機会もなくす。だからぼくは、どうしても必要なモノだけ持っていくことにしてるんだ。
〇本当の財産
・ぼくたちにとってのほんとうの財産は「経験」だってことに気づかなかった
・もちろん100%損得を考えない人になるなんて無理だけど、ぼくは自分の中の0が1になると思ったらできるだけやるようにしている。普通の人が経験しないような事ならすぐやる。そう決めているだけさ。損得ではなく経験で判断する。本当は経験だけが真の財産だって知っているからね。
〇行動の原動力
僕らの可能性は、僕らの想像をはるかに超えたところにあるんだよ。それを、自分が手に入れられると想像できる範囲でしか行動しなければ、その可能性を開花させる人生なんて送れるわけないじゃないか。
〇自由に生きる
・やりたいことの有無に関係なく、いま、目の前にあることに本気で取り組むんだよ。そうすれば自由な大人になれる。
・目標を持てばやらなきゃいけないことが生まれる。その目標が高ければ高いほど、たくさん生まれる。
・やりたいことをやらなきゃいけないことにかえなければいいだけさ。
〇いまを生きる
・目の前にやってくることに全力で取り組めば、楽しく感じて、その中からやりたいことが湧いてくるんだ。
〇計算よりも情熱
・僕たちの可能性を引き出してくれるのも出会い。僕たちに幸せを運んでくれるのも、新たな学びを与えてくれるのも、すべて出会い。だから、計算したり損得を考えたりして一歩踏み出すかどうかを決める生き方をするよりも、何かを感じたら一歩踏み出す。
〇いちばん大切な準備
・どこへ行っても自分はついてくる。0を1にする挑戦が目の前にあったときに、「やれ」っていうのも、「やめとけ」って止めるのも自分しかいない。だから、「お前と一緒で楽しい旅だよ」といえるような自分でいるって決めるんだ。これから起こることはどんなことも楽しむと心に決めることが、旅に出る際の一番大切な心の準備なんだ。
・旅先におけるハプニングは、普通なら絶対に経験することができない0を1にするチャンスなんだ。だから、予想外の出来事が起こるたびに、暗い小道になるような状態のままで、旅に出てはいけない。旅先では、その土地での常識がわからなくて失敗することもある。その時は恥ずかしいかもしれないけど、それはそれでいい土産話になるだろ。多少のトラブルだってそうだ。帰ってきてそれを話す時の君は絶対に笑っているし、聞いている人も笑っている。だったら、それが起こった時にだって笑っていいはずだ。楽しいことが起こるからそれを楽しいと感じる。それが当たり前だと思っていちゃだめだよ。
〇日常の中の宝に気づく
・どこまでも自由な不自由さに飛び込めば、今までの自分とは違った自分と出逢える。
・人生を変える出会いをするためには、自分がどんな想いを持っているかが大切。想いが同じならば奇跡が起こる。
・もらえるものばかりを考えずに、自分があげられるものをまず用意する。
・旅の目的を果たすために必要なモノはすべてそろっている。足りないと感じたものは旅先で手に入れればいいだけだ。
・おこることすべてを楽しむと決めてから旅に出ある