ダンスダンスダンス/村上春樹
「羊をめぐる冒険」から4年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。(上巻裏表紙より)
失われた心の震えを回復するために、「僕」は様々な喪失と絶望の世界を通り抜けていく。渋谷の雑踏からホノルルのダウンタウンまで。そこではあらゆることが起こりうる。羊男、美少女、娼婦、片腕の詩人、映画スター、そしていくつかの殺人。(下巻裏表紙より)
鼠小説三部作の続編であり部隊は羊から4年後
だれかが僕のために泣いている。
そう思い立ち4年ぶりにいるかホテルへ行く。
いるかホテルはドルフィンホテルという立派な高級シティホテルに変わっており、そこで「ユミヨシさん」と出会う。
さらにドルフィンホテルの16階(異界)で羊男と再会し「何が起こってもしっかり踊り続けなければいけない、皆が感心する程度に上手に」といわれる。
ユキという不思議な感覚を持った少女を東京まで連れ帰り仲良くなる。
映画スターであり、中学の同級生である五反田君の出演映画に「キキ(前作の耳の素敵な女性)」が出ているのを発見し五反田君と連絡を取り、旧交を温める。(五反田君は鼠のもうひとつの可能性がある)
五反田君の家で高級娼婦メイと出会う。
メイが殺害されたことで赤坂警察署に3日間かけてこってり拘束される。
牧村拓(村上春樹のアナグラム)というユキの父親に会い、ユキとともにハワイに行く。
ジューンというフィリピーナの高級娼婦と出会う。
ハワイでユキの母親「アメ」とそのボーイフレンドで片腕の詩人「ディック・ノース」と出会う。
ハワイの街中ですれ違ったキキを追って入ったアパートで、6体の白骨死体のある部屋(異界)を発見する。
東京に戻る。
ユキ、アメ、ディック・ノース箱根に帰る。
ディック・ノースが交通事故に遭い死亡する。
ユキが五反田君の映画を見て、「この女(キキ)を殺したのはこの人(五反田君)だ」と言う。
五反田君とシェーキーズで食事中に「なぜキキを殺したんだい?」と聞いてみるとそこから五反田君の自白が始まる。
翌日五反田君が死体となりマセラティごと海から引き上げられる(自殺か事務所による他殺かは明かされない)。
ユミヨシさんに会いにドルフィンホテルに戻って彼女と再会し関係を持つ。
その後二人揃ってドルフィンホテル16階の異界に迷い込み羊男のいる部屋に到達するが、羊男はどこにもいなくなっていた。
その異界で消えてしまったユミヨシさんは、現実に戻ってくるとそこにいた。
羊男は前作では鼠の代理人で
今作では僕の代理人である。
三部作に引き続きやはりあらすじにしろ感想にしろなんとも書き表しにくい小説である。
とりあえず説明ができそうなのは
6体の白骨死体は僕にかかわりのある者たちの死であるということで、
その6人が
・鼠
・キキ
・メイ(=ジューン)
・ディック・ノース
・五反田君
・羊男(ユキの代わりor僕の代わり)
であろうということぐらいか。
次回は少し戻って「世界の終わりとハードボイルワンダーランド」