守れるのはあなたですよ
本年(令和4年)4月1日よりある法律改正がありましたが、ご存知でしょうか?
今回の改正は普段のどうゆう関わりがあるかよくわからない小難しい改正ではなく、単純に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられるというものです。
ではまず成人とはどうゆうことかについて簡単にお話を。
民法という日本での基本となる法律では自然人(われわれいわゆる個人)には「権利能力」「行為能力」「意思能力」があると考えます。
「権利能力」:法律上の権利や義務をうけることができる能力→産まれながらに皆平等に持っている
「行為能力」:単独で契約などの法律行為を有効に行うことができる能力→未成年は親権者の同意が必要など少し制限がかかる
「意思能力」:自分がした行為についての結果を理解することができる能力→未就学児にはこの能力がないと判断される
つまり未成年者には年齢の段階に応じて意思能力+行為能力がない、もしくは行為能力に制限かかっているということです。
で、その制限をとっぱらって「もう一人前ですよ」とされる年齢が成人年齢であり、それが20歳から18歳へと引き下げられたということです。
18歳になった人は簡単に言うと「喫煙」「飲酒」「ギャンブル」以外については成人として扱われ、我々おっさん達ともおなじように扱われるようになるのでもちろん選挙での投票も可能となります。(この投票数を増やすことがこの改正の目的だったとよく言われてますね。)
という前提条件を踏まえて、これを見てくださっているそこのあなた!!
ありがとうございます!!
ではなくて、
「本人にとって成人となることは良いことだけですか??」
ということを考えてください。別に正解はありません。とにかくご自身の考えを持ってください。
例えば私であれば
良い点としていえば、親の承諾なく会員登録等できる・クレジットカードが作れる・選挙投票ができる・子供扱いされなくて済む、契約がすんなりできるなどかなと思います。自分が高校生だった頃にできなかったりいちいち親の許可が必要だったことなどが簡単にできるようになるっていうイメージですね。
嫌な点としていえばまちがいなく「責任と義務が発生する」ということです。
未成年であることを理由に不利な契約の取り消しができたりetc、さまざまな法律で守られていたものがすべてとっぱらわれてしまい間違った行為も間違った判断もすべて自分の責任となって義務がやってきます。
例えば、自分にだけ超絶有利な契約を結ぼうと思ったら50歳くらいのバリバリの現役社会人と10歳の小学生とどちらを選びますか?ということです。
50歳なら完璧な判断ができて若いからまったく判断ができないというお話ではありませんが、どちらかといえばそうなる可能性は高いですしなにより本当に50歳の人と同じ責任をすべて当てはめていいのでしょうか?ということです。
しかし実際にもう改正されているのでいまさらうんぬんかんぬんいったところで何も変わりませんww
ですので、どういったことができるようになってそれによってどういった問題が起こり得るのかというのを大人としてのあなたが!教師であるあなたが!!親であるあなたが!!!ご自身とかかわりのある18歳である学生が弱肉強食の一般社会で成人として扱われるということがどういうことかというのを、少しでも知って考えて欲しいと思います。
ちなみに興味のある方は京都司法書士会の主催でこの「18歳成人時代」についてのセミナーが開催されるみたいなので参加してみるのもいいかもしれません。私は別段関わっておりませんのでどんな内容になってるかは知りませんが、zommウェビナーですので参加申し込みしておいて当日ちょろっと覗いてみるのもいいのではないでしょうか。