教養としての投資/奥野一成

読みながら重要そうだと感じた箇所を抜粋し、箇条書き形式で列挙してみました。

自分自身用のメモみたいなものなので見にくいとはおもいますが、読んでみようか悩んでいる方は、琴線に触れる箇所があるかどうかの参考程度にはなるのではないでしょうか。

ウクライナ情勢が現在のような状況になる前に書かれたものなので、具体的な話などはすこしズレが出ているかもしれませんが、投資に対しての考え方としてはいつの時代に読んでもためになる書籍だと感じます。

【労働者2.0へ】

・投資をすることがビジネスパーソンとしていかに大事であるか

・日々の生活を支えるために働いている人たちのことを「労働者1.0」とする

・完全な資本家は資本、すなわちお金を出して、他の人を働かせる。

・まず「労働者2.0」を目指せ

・労働者1.0の「他人に働かされている」というマインドセットを、「自分が働いている」に切り替える必要がある


労働者1.0労働者2.0資本家
マインドセット他人に働かされている自分で働いている他人を働かせる
スキルセット対応する力(受動的)行動する力(能動的)構想する力
接点・人間関係自分の職場のみ自社全体 顧客 業界社会全体 コミュニティ
働き方単に自分の時間を売る自分の才能を売る他人の才能や時間を利用する
投資に対する考え方投資しない自己投資から長期投資へ長期投資

・働き方のマインドセットを変えるのと同時に、資産形成に投資を組み入れることによって、資本家に一歩近づくことになる

【就職活動するなら】

・会社の20~30年間の長期チャートを必ず見なさい

・長期趨勢的に株価の下落が続いている場合は、その会社に何かネガティブなことが起こっていると考えてほぼ間違いない。そして自分なりにその原因は何なのかを分析する

・デイトレードではない、ちゃんと会社の事業に長期投資するスタンスの株式投資をお勧めする

・自分が働くという事と自分以外を働かせるという2つのことを組み合わせる

・若い間はまず自己投資をしよう。余ったお金は株式投資。投資先企業の事業性や産業について自分なりに考えるようにしよう

・投資してから少なくとも5年は保有し続けることを想定して購入するbyウォーレン・バフェット

【投資に対する日本人】

・日本は以下の点で資本家マインドを過去に喪失させている

 ①財閥解体(資本家としての成功体験が断ち切られてしまった)

 ②焦土と化した日本で皆、生きていくために、労働者として働かざるを得なかった(労働者1.0)

 ③「東洋の奇跡」とまでいわれた日本の製造業としての成功体験が労働者1.0こそが最良と考えさせるようになってしまった

・投資教育、金銭教育をしていく上で重要なのは、「楽して儲かることはない」ということ。「美味しい話」はほぼ「投機(ギャンブル)」か「詐欺」

※労働者1.0のマインドセットを持った人が圧倒的に日本人に多いという事は、その多くの割合がマインドチェンジやパラダイムシフトとしての世代交代が起こり労働者2.0や資本家のマインドをもつことができれば、一気に躍進することができるかもしれない。現状でGDP3位であったり先進国としての立場を築けている日本であればなおのことであろう。

「証券分析」「賢明なる投資家」著:ベンジャミン・グレアム

・発展途上国のビジネスモデルとは、特に家電製品などで典型的だが、大量生産によってコストを引き下げ、最終的に製品価格を安くして世界中に売りまくるという方法(薄利多売)

・儲かる仕組みがあって、その仕組みを他社に崩されることのない参入障壁を持っているかどうか

・利益=お客さんにとっての課題を発見し、その課題を解決することで得られる対価

【長期株式投資の考え方】

・売らなくていい会社しか買わない(バフェットは30年以上コーラの株を手放していない)

・中産階級人口が増えていくのでコカ・コーラの市場はこれからさらに拡大していく

・「構造的に強靭な企業」に投資する

 ①高い付加価値:本当に世の中にとって必要か?

 ②高い参入障壁:いまさらその人たちの向こうを張って勝負しようだなんて、誰も思わないほど圧倒的に強いか?

 ③長期潮流:普遍的で、不可逆的なもの

・長期潮流とは高い付加価値と高い参入障壁によって獲得された利益を、増幅させるもの。

・本物の長期潮流とは「不可逆的であると言い切れるもの」つまり、元には戻れないもの(長生きしたい、健康でいたい、きれいになりたいetc)

・強靭な構造に支えられた強さがあれば、利益を大きく伸ばせるかどうかは「強さ×面積」で決まる。参入障壁に支えられた強さがあれば、海外にマーケットを求めることによって利益を大きく伸ばせるようになる。

・市場全体を買うインデックスファンドへの投資は、日本株に関して言えば全く無意味。

・長期投資とはどのくらいのことを指すのか=永久

・企業会計の観点からいうならば、短期=1年以内、中期=1~5年、長期=5~20年

・会社を見つけて投資したら、後はその参入障壁が失われていないかどうかをチェックする。もし参入障壁がなくなったと判断した時は、売るタイミング。

・PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)等の株価指標をチェックすることは大切ではあるが、あくまでそれは過去のことしか語らない。数値は未来を語るものではない。

・ポジションコントロールはある程度機械的に行う必要がある(これぐらい下がったら何も考えずに売却する、これぐらい一気に上がってしまったらいったん売って利益を確定させる等)

・投資マネージャーがすること

 「御社のビジネスには参入障壁があるのですか?」と確認する

 この会社の参入障壁はおそらくこのあたりだろうなというように、自分なりの仮説を持っていく

 考えている事業に関する仮説を参考資料として作成して訪問する

・農業機械には近い将来、イノベーションが起こるはず。その産業で圧倒的な強さを持つのが「ディア・アンド・カンパニー」

・バリアンメディカルシステムズは、がんの放射線治療気を製造している医療機器メーカー

・50%超のシェアを持つようになると、その情報が持っている価値は非常に大きなものになる

・「Information」は生の一次情報、「Intelligence」は意思決定を下すために分析・加工した情報

・インターネット情報の使い方として気を付けることは1つ。事実か意見かをはっきりさせて情報を取ること。そして考えるときは、一次情報である事実(ファクト)をあつめなければならない。

・株は一発で買わずに、時間を分散させて淡々と買いましょう。投資するべき金額が決まっているなら、5年以上かけて投資し終えるというイメージ。例えば生活資金として動かす必要のないお金が200万円あるとすると、毎年40万円ずつ買う

【株価が下がっても狼狽しないために】

・相対的に競争優位性を持っていて、それが損なわれないのであれば、経済環境が悪くなって先に沈むのは競合企業。

・中短期的に倒産しないだけの強い自己資本を持っていること=財務レバレッジが低い

【保有株式の売却基準】

①見立てが間違っていることに投資した後で気づいたとき

②より面白い投資機会が出てきたとき

③株価がフェアバリュー(適正価格)対比で上がりすぎた場合。

【長期投資ができる仕組みを作る】

・自分のフローとストックを見直す

・資産形成に回すお金を隔離する

・自動的に銀行口座から引き落とされそのまま投資に回るような仕組みを作ることが肝心(iDeCoのような確定拠出年金は利用価値が高い)

・公的年金制度だけで賄うことはほとんど不可能だと考える。年金制度は老後の生活のサポートの一部だと割り切る。

・株式への長期投資を行うのであれば会計の知識は持っておいたほうが良い(証券アナリスト試験の1次を通る程度の知識を持っていたほうが良い)

・配当で考えない(配当とは単純な言い方で表現すると「タコが自分の足を食っている」状態)

・会計知識はない状態でまず資産形成の必要性を感じているなら、ひとまず投資信託(ファンド)を買うという手がある。インデックス型という、市場全体を買うというイメージの投資信託で米国のS&P500。

・絶対に避けるべきは、証券会社のセールスマンに何に投資するべきかを尋ねること(散髪屋に対し「髪切ったほうがいい?」と聞くようなもの)。本当に信用できるセールスマンだと思ったとしても「あなたが勧める投資信託をあなた自身は買っていますか?」と聞いてみる。

・最初から国際分散投資ありきという考え方は、根本的に間違っている。

・楽をして短期的に儲けようと思うな!!

・投資であってもビジネスであっても、土台となる知識とそれらを組み合わせて「自分の頭で」考える習慣が必要。

・世界の共通言語としての英語を道具として使える必要がある。

・ビジネスの共通言語として会計の知識が必要

・簡単な四則演算や統計学の知識も重要

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