ゼロ秒思考/赤羽 雄二
思考の「質」と「スピード」、双方の到達点が「ゼロ秒思考」だ。
ゼロ秒とは、すなわち、瞬時に現状を認識をし、瞬時に課題を整理し、瞬時に解決策を考え、瞬時にどう動くべきか意思決定できることだ。
迷っている時間はゼロ、思い悩んでいる時間はゼロとなる。(見開きより)
著者がマッキンゼーで学んだ瞬時に思考する方法を記した書籍。
問題を思いついたときにはすぐにメモに書き出し、1分以内にそれについての答えをメモに書き記す。
それを繰り返していくことによって思考の瞬発力が鍛えられ、頭の回転を速くすることに繋がる。
1分という短い時間で考え出した答えに対しての信憑性を疑いたくもなるが、
プロの棋士が直感的に考えた「次の一手」と1時間長考したのちに考えた「次の一手」は80%一致するという研究結果もある通り、
人が瞬時に考え出す答えと深く考えた末に出す答えはそれほど違いはないらしい。
もちろんプロの棋士が直感でだす次の一手と我々一般人が直感でだす次の一手には正答率に大きな隔たりがあるが、それは知識や経験からくる差である。
その経験を本書で書かれているゼロ秒思考方法で日常的に積み重ねていけば、精度も上がっていき、答えの出せない問題について悩みを抱えて動けなくなることも少なくなって行くのではないでしょうか。
下記に本書で記載されている「ゼロ秒思考」のやり方について抜粋しておりますが、見てお分かりの通りなかなか大変です。
もしうまくゼロ秒思考を続けている方がいましたらぜひお話伺いたいなと思います。
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【ゼロ秒思考について】
・著者は課題整理、分析、戦略立案についてはマッキンゼーで徹底的に叩き込まれた(なので読者は別途学習要?)
・「素早く深く考える方法論」「心を穏やかに保ち、気持ちを整理しつつ、頭を最高速で回転させる方法論」→ゼロ秒思考メモ実践にて手に入る
・沈黙思考=時間の浪費
・時間をかければ考えが深まるとは限らない
・経営者を見ると、多くの人(特に優れた人)が即断即決。
・素早く意思決定をするうえで、どの程度情報集をすればいいか?→課題・問題点の仮説に対して、取りうる解決案を三つ上げる。それらのメリット、デメリットを書き上げてだいたい目星をつけてから情報収集を始める。
・感情から考えをまとめ、メモにし、課題解決に取り組むまで。
- 感情が湧きおこる(感情を殺している人、考えてない人)
- 考えが浮かぶ(普通の人)
- 考えを整理する(考えようと努力している人)
- 文章がある程度浮かぶ(よく考えている人)
- メモに書く(広い視点から考えようとし、メモもよく書こうとする人。考えが深くなる)
- 課題解決に取り組む(頭が常に整理されており、メモに直ちに書き、すぐに課題解決に取り組める人。成長が早く、仕事ができる)
・一つのタイトル(=テーマ)を深堀すると、あっという間に難しい問題が小分けにされ、分解して整理でき、同時に全体像が頭に入るという大きなメリットが期待できる。
【メモのフォーマット】
・A4の用紙を横置き
・1件1ページ
・1ページ4~6行(各行20~30字)
・1ページ1分以内(タイトル、日付、本文含めて)
・毎日10ページ(深掘りなどしていくときはもっと書いてもよい)
・クリアフォルダに分けて整理
・左上にタイトルを書いて下線を引く
・右上に年月日を入れる「2021-10-26」
・A4横置きの1ページに等間隔で縦に4本ほど線を引いて、メモのタイトルを片っ端から書いて貯めておくのもOK
・フォーマットのアレンジはしない!
・メモはA4用紙の裏紙がベスト。
・メモは「PILOT VCORN直液式水性ボールペン」がおススメ
・クリップボードは、クリップを右側に置く。
【メモの書き方】
・似たようなタイトルでも何度も書く
・頭に浮かぶまま、余計なことを考えずに書く。感じたまま書く。難しいことは何も考えない。構成も考えない。言葉も選ばず、ふと浮かんだまま。
・思いついたこと、気になること、疑問点、次にやるべきこと、自分の成長課題、腹が立って許せないことなど、頭に浮かんだことは何でも書く。
・メモに全部ぶちまけた後、それらのメモを見ながらさらに思い浮かぶこと、やっぱりどうしても許せないこと、そいつの最悪で一番嫌なところ、など新たにメモを書いていく。
・毎日、Facebook、twitterのタイムラインやメールマガジン、Gunosyやスマートニュースなどのキュレーションツールから流れる記事をざっと読むとよい。特に重要だと思う記事は印刷する。マーカーを付けたり・感想・コメントを書き込む。その後メモと同じテーマごとのクリアフォルダにファイルする。
・メモは毎日10ページ書く。まとめて書くのではなく、思いついたときにさっと書く。
・字は丁寧にきれいに書くと時間がかかるので、自分が問題なく読めるレベルで書く。普段通りの字で書く。
・メモは書いた直後に2~3秒推敲する。必要があれば15秒以内に書き足す。
・メモは思いついたその場ですぐに書くこと。
・電車の中など用に、A4用紙を三つ折りにして一番上に来る部分に普通にメモを書く。
・メモ書きに習熟後の発展型として、左右に分けてサブタイトルを書く方法もある。
- 現状と対策
- 強味と弱み
- 第1案と第2案
- 上司の役割と部下の役割 etc
・悩みを聞きながらメモを書いてあげる。相談業務の時などに有効かも。
【メモから企画書をまとめる】
- 思いついた片っ端から数十ページを書きなぐる。構造は完全に無視
・頭に浮かぶアイデアを1件1ページでかったぱしから書いていく
・タイトルを書き、考えが閃いたら4~6行書いてもよいし、タイトルだけを書いておいてもよい
・その中で1番よさそうな案に仮決めする。フィーリングでよい
・この企画では、誰を狙うのか、企画の狙いは何か、企画はどう実現するか、どの程度の日程でできそうか・やるべきか、費用はどのくらいかかるか、どういうチームで取り組むべきかを1件1ページで書き出していく。
- カルタ取りのように並べてみる
- 新しいアイデアが出てきたら、追加する。整理する。
・アイデアは構成などを気にせずにドンドン出すということと、誰にとって面白い企画なのかを考えなくてよい、ということはまったく別の話。だから、ターゲットユーザー・顧客はできるだけ具体的に、鮮明に決めておくべき。
- 全体のバランスをとる
- メモを見ながらパワーポイントで書き上げる
・メモをそのままなぞる。机の上に広げたメモを見ながら、パワーポイントにどんどん打ち込んでいく感じ。
- 1日から1週間熟成させ、きめ細かな修正でレベルアップさせる
【メモのフォルダ整理】
・毎晩寝る前に、今日書いた10~15ページをきちんとフォルダに分けて入れていく。
・カテゴリーを分けて整理するためにクリアフォルダを使う。
・書き始めて4~5日したところで、5~10個程度のカテゴリーに分けていく。A4クリアフォルダを用意し、ラベルを張って整理する
- 将来ビジョン、やりたいこと
- 人とのコミュニケーション
- チームマネジメント
- 新しいアイデア
- 考えたこと
- 情報収集
- 聞いた話
・A4用紙横置きで左半分に上から下まで書き進み、下まで行ったら右上から同じように書き続ける。
・会食などでメモが取れない場合は、後で思い出しながら書く。(数字は後ではあいまいになりやすいのでなにかしらメモを取る)
- ミーティング
・聞いた話と同じようにメモを取る
・フォルダの分類は、いったんは前述のおすすめ通りやっていく。毎晩寝る前にメモをフォルダに振り分ける。
・フォルダを分割・統合等する場合はメモを全部取り出し、日付順に整理しなおし新ファイルに投げ込む。
・フォルダのラベルは「3Mのカバーアップテープ」に書く
・クリアフォルダには、毎日書いたメモを上に足していく。
・フォルダは3か月に一度さっと見る。新しいメモがフォルダの上になっているので、ふぉらだごとに逆順にそろえ、一番古いものを上にして、日付順に並べ替える。
・フォルダはさらに3か月後にもう一度だけ見直す→その後残す or スキャンして保存。
【タイトル案について】
- 仕事に関するタイトル
- 勉強に関するタイトル
- 将来に関するタイトル
- 読書に関するタイトル
- 時間の使い方に関するタイトル
- 健康管理に関するタイトル
- プライベートに関するタイトル
- 上司に腹が立った時、心を落ち着ける
- 元気が出ないとき、少しだけ元気になる
- あまりどきどきしないようになる
- あがらないようになる
- 自意識過剰をなくす
- 自己嫌悪がなくなる
- 人と親しくなれる
- 悪口を言わなくなる
- 悪口を言われても気にしなくなる
- 人に甘えられる自分になる
- 人への過度の依存をなくす
- 孤独感をなくす
- 気持ちの上で自立する
- 親を愛せるようになる
- 自信を持てるようになる
- 頭が整理できる
- 彼女とのメールでのコミュニケーションをスムーズに行う
- 上司とのコミュニケーションをしやすくする
- 部下とのコミュニケーションをしやすくする
- 誰とでも話せるようになる
- 人にあまり遠慮しないで済むようになる自分で決めたら挫折せず実行する
- 勉強を挫折せず続ける
- 自分のビジョンを整理する
- 転職する
- 留学する
- 結婚する
- プライベートを重視する
- 急成長できる
- 仕事ができるようになる
- 企画案を出せるようになる
- 企画書をかけるようになる
- アンテナを高くする
- 情報収集を怠らない
- 感度を高く保つ
- 完成を豊かにする
- ミーティングでうまく発言できる
- プレゼンテーションがうまくなる
などの中から深堀りし頭に浮かぶものをそのままタイトルにする